致道館~後編

二階は生徒たちの宿舎です。奥は壁で仕切られているため、より狭く感じます。

少しでも広く空間をとればいいのに…と思いますが、実はこの壁から先の真下の部屋はお殿様、先生方の部屋になっているため頭上には入れないように仕切り壁が建てられているのです。↑立派な木組み。

天井が高いため圧迫感はありませんが、梁がかなり低いので、普通に歩いていたら頭をぶつけてしまいます。

右端には“帆足先生遺稿原稿”の箱がありました。

帆足万里(ほあしばんり)とは 三浦梅園、広瀬淡窓とともに「豊後の三賢」とよばれる儒学者、政治家です。藩校の教授として、後には私塾“西崦精舎”を開き優秀な人材の育成にあたりました。

質素なこの空間で、当時の若者達が寝食をともにしながら夢を語り合い真剣に学んでいた姿を想像すると身の引き締まる思いがします。一方で豊かな時代に生まれた私たちには、見失ってしまったものもたくさんありそうな気がしてなりません。